2002年 118

c101403 山森直樹

自作パソコンと既製品のメリット、デメリットと比較

 

1、 問題の背景

 

パソコンを購入する上で、今まではパーツをそろえ、自ら組み立てる自作という入手方法が価格的に有効であった。

しかし、大手メーカーの販売する既成パソコンの値段が低下したことにより、その利点は失われつつあると感じた為。

結論から言います。はっきり言って自作パソコンは、価格面では損です。」

             (初心者の為の自作パソコン(自作PC)総合講座より)

 抜粋したこの文章が正しいのかどうかを確かめたいと思う。

 

2、 報告の目的

 

自作と既製品の両者をさまざまな角度から比較することにより、メリット、デメリットを考え直し、どちらが総合的に「お得」かを決め、どちらかといえば、自分のために役立てたいと思う。

 

3、 前提となる従来の双方のプラスイメージ

 

自作パソコン

      安価である

      自分で必要なものを選んで作ることができる

      故障した際など、自分で故障箇所の特定などができる

      部品の換装など、自身でカスタマイズできる

メーカー製パソコン

      組み立てなどに時間がかからない

      保障がついてきて安心できる

      ハードウエアの知識が必要でない

      一般的なソフトが元より付属されており、自身でそろえる必要がない

 

4、 比較方法の説明

 

自作パソコンに使用するパーツ、およびメーカー製パソコンの種類は膨大なものであり、そのすべてを比較することはできない。よって、メーカー製パソコンの中から「安価」であると大々的にCMを流している「DELL」製のパソコンをサンプルとして、それを自作するにはどれだけの費用、知識、 時間が必要なのかを検証することにした。(まったく同じパーツを使用するのではなく、性能のみを同等にした仕様で製作)

   自作する際は大学生がレポートなどを作成することができる最低限のソフトのみをインストールすることにした(ソフトの選択性の協調)

  

5、比較結果

 

@      価格

資料はサンプルとの持つ性能をほぼすべて備えた際にいくら掛かるかを試算したものである。結果、自作した際の方が36140円もの費用がかさんだ。

さらに、中古品で同等のものを作った場合、費用は133280(メモ紛失のため資料なし)となった。

(大須じゃんぱら、グッドウィル2号店にて実地調査)

 

A      時間

まず、自作する際に掛かかると予測される時間として、

(1)自作のための知識学習

  (2)パーツをそろえるための時間、可能ならば最も安いパーツを探すための時間

(3)実際に組み立てる時間

  これらが既製品と比べた際に余計に掛かる時間であるとした。

 

(1)      自習室で自作に必要な知識がHP上で集められるだけの時間、そして自作のことの書かれた本を(生協にて)購入する時間、それを読む時間となる。

(2)      立地条件などから統一はできないが、少なくとも車などがない限り一度に運ぶことはできないので、かなりの時間を要すると思われる。

(3)      これは13人にアンケート、さらに自作紹介のHP の掲示板などから17人の所要時間を調査した。結果、平均432分となった。ただしこれは経験者が要する時間であり、初心者が必要とする時間とは大きなずれがあると思われる。

 

        ただし、知識学習時間について、個人差があることは当然にしても、実際に必要な知識はすべてHPから獲得できるものであった。

  

B      損壊率の検証

自作する上で、パソコンが損壊してしまい、それを補充するのに、全体の何%の出費をしなければならないのか、これについて、計23人の平均を取った。

結果、平均損壊率25.5%となった。

4分の一という数字は非常に大きいものに思えるが、実際は発火による完全消失一人、融解による内部パーツの完全消失二人を含んでいる。

それらを取り除いた結果、16.5%となった。(ちなみに私の損壊率はマザーボードとCPUの融解による損壊率17%だった…)

この平均をサンプルとした自作パソコンに当てはめると、35000円の損害となり、合計で247300円の経費となる。

  

 

※差額71110円を試しに大学生の平均時給860円で換算すると82時間分の労働時間となった。

 

 

6、比較結果のまとめ

 

      価格

    計算の結果、自作パソコンの製作のほうが40%もの経費がかさんだ。

      時間

    個人差はあるものの、初心者ならば材料がそろい、知識も十分に学習した状態で少なくとも半日は掛かると思われる。

      保障

    パーツごとに、最低でも一年の保障はあるものの、組み合わせた際の不具合、いわゆる相性に関してはサポートされておらず、メーカー製パソコンについてくる3年の動作保障など明らかに既製品に比べて劣っている。

    いくつかのメーカーではキャッシュバックなどの高度なサービスもついている。

    しかし、これらの保障は内部パーツなどの交換などを一切行っていない場合のみ有効であることは頭にとめておいたほうがいいと思う。

 

これらの検証の結果、パソコンを自作することのメリットであったコスト面の有利さはなくなった。そして、資料のとおり、不必要な分を省けるという利点も、ほぼ無くなってしまったと見てよいと思う(もとより付属しているソフトの部分を参照)

 

7、私見

 

差額の比較は、思っていたよりも派手に差が開いた。(もちろん比較したパソコンは一台のみであり、不十分な検証ではあるが)最近ではメーカー製パソコンについてくるソフトも実用的なものが多く、普通にパソコンを所有、使用するのなら、既製品を使ったほうが明らかに有利だろう。

加えて、現行のメーカー製パソコンでは、これからの社会に必須と思われるインターネットを完全保障しているものが大半で、パソコン自体にかなり安価なプロバイダー契約が組み込まれたセットなどが発売され、今回の調査では計上しなかったが、それを自作パソコンでやろうとしてもかなりの金額が掛かると予測される。

個人として作るのであれば、それはほとんど趣味の領域だといえる。

しかし、旧式パソコンからの流用、ソフトの使いまわしなど、やればやるほど利点が際立ってくるのも自作パソコンである。

つまりパソコンををひとつの完成した道具と見るか、あるいは手を加え改良する途上の道具としてみるか、それによって購入方法が違ってくるだろう。

  どちらにしてもそれなりの金額を払って買うのだから、自分にあったものを買うのが最上だ。

更に調査中に感じたことはメーカーが本気を出したら普通の自作パソコンユーザーでは太刀打ちできない」という点だ。以前ならばメーカー間での競争はあまり激しくなく、企業用、個人用といったシェアのすみわけもある程度出来ていたように思える。しかし、今回取り上げたDELLなどの海外企業、小さくても良品を出す企業などが増えてきたため、競争が激化、現在の価格、およびサービスの争いになっているという現状となっている。

  

最後に、半分余談ですが、もし保障もあって、ソフトも揃ってて、安くて、後で拡張もしたいというのであればショップ製のパソコンをお勧めします。

これは指定したパーツあるいは性能でパソコンパーツを扱ってる店が組み立ててくれるため、なかなか使い勝手がよく、安いものが多いようです。

 

 

参考資料

「初心者のための自作パソコン(自作PC )講座」

 http://www.eva.hi-ho.ne.jp/jun-king/no1-1-1.html

Dell Computer

http://www.dell.com/jp/jp/gen/default.htm

 「特価COM

  http://www.tokka.com/default.html

 「学生援護会」

  http://www.engokai.co.jp/

 

 「じゃんぱら大須店」

 「グッドウィル 2号店」

以上