本の紹介
「グローバルスポーツ論」の紹介
2014年に「グローバルスポーツ論―『越境スポーツ選手』の社会学」という著書をデザインエッグ社から出版しました。Amazon.co.jpで購入することができます。本書では、国境を越えて一時的もしくは恒久的に「移住」する競技者を、「越境スポーツ選手」と呼び、社会のグローバル化とともに生じる彼らに関する問題に焦点を絞る。本書では、白鵬のような越境スポーツ選手に関する類型枠組みを切り口として、彼らに関する違和感の性質について明らかにした。さらに、主に日本に移住したニュージーランド出身のラグビー選手やアメリカ人プロバスケットボール選手の移住動機について明らかにした。NBAコミッショナー、デヴィッド・スターンへのインタビューを通して、NBAのグローバル戦略について紹介する。
第1章では、社会学者の福岡安則(1993)の類型枠組みに応じて越境スポーツ選手の事例について紹介し、日本代表チームに選抜された外国出身選手に関する抵抗感の性質について説明した。第2章では、この調査の理論的枠組みや先行研究について概観した。第3章では、野球とサッカーの越境スポーツ選手に関する問題について検討した。第4章では、Jリーグに所属した在日コリアンの民族意識について焦点を絞った。第5章では、ニュージーランド出身のラグビー選手の移住動機や文化的な違いについて明らかにした。第6章では、1980年代以降のNBAのグローバル戦略について、第7章では、アメリカ人プロバスケットボール選手の移住動機について紹介した。第8章では、長野五輪(1998)に出場した日系アイスホッケー選手の移住動機と国民アイデンティティについて明らかにした。