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中京大学工学部機械システム工学科 沼田宗敏 研究室           人型サッカーロボットと表面粗さ用フィルタの研究をする Numada Laboratory

研究内容

研究室紹介



【重要点研究:粗さ用フィルタ】
【サッカーロボット】
【人 工 知 能】
【コンピュータビジョン】
【関連研究1:パターン認識】
【関連研究2:C   G】
【関連研究3:画像逆量子化】



TV放映されたサッカーロボット ChukyoRoboStars(画面左)
(2013年5月7日「めざましテレビ」より (C)FUJI TELEVISION)


グローバルビジョン画像(SSLビジョン)

 ロボット、人工知能、ビジョンという3つの技術の融合によって作られる自律サッカーロボット。
サッカーロボットによるサッカー競技では、試合中は一切ロボットやパソコンを操作することができません。あらかじめ、ロボットに埋め込まれた戦略プログラムに基づき、味方、敵、ボールなどのカメラからの情報を刻一刻と認識しながら、最適のプレーを行います。


ロボカップ ジャパンオープン2013(Video)

 2010年5月の2010年5月のロボカップ・ジャパンオープンに初参戦のChukyo RoboStarsは、3年目の2012年には初の決勝トーナメント進出を果たしました。そして、沼田ゼミ3年生(春見キャプテン)によるロボットの根本的強化、人 工知能プログラムの大幅見直しにより、2013年5月のロボカップ・ジャパンオープンではついに念願のベスト3に入りました。 


Chukyo RoboStars(左側)(Video)

 2009年9月に立ち上げたばかりの研究室で、2010年5月のロボカップ・ジャ パンオープンに参加することは無謀ともいえる挑戦でした。 しかし、幸いにも 大学から「プロジェクト型研究教育助成」を受けて機器部品を揃えることができ、また輿水研院生のみなさんのプログラム作成へのご協力、そして何よりも 沼田ゼミ1期生の学生たちの献身的なプログラム開発によって、何とか無事エントリーすることができました。もちろん、時間不足による調整・練習なしのいきなり本番出場であったため、サッカーらしい動きをしたのはこのビデオのシー ンくらいでした。ともあれ、完全自律ロボットによるサッカー試合:ロボカップという大きな舞台に第一歩を記すことができたことは大きな自信となりました。





 ・ディープラーニング(深層学習)

当研究室では2016年以来、ディープラーニング(深層学習)を用いた画像識別や、ロボット制御に取り組んでいます。


①AIステーション
 AI体験型マシンです。予め大量の画像データを学習させておくことにより、TVカメラで撮影された画像をディープラーニングにより識別します。


手描き絵判定用データ例


似ている有名人を探すデモ


②ディープラーニングを用いたロボット動作
 複数の対象物画像を予め大量に学習させておき、ディープラーニングにより対象物を識別すると、ロボットが自律的に動作します。


深層学習を用いたロボット自律動作

③ディープラーニングによる天気予測
 20年間の気象衛星画像10000枚分をディープラーニングにより学習させ、翌日の天気(2016年名古屋市)を予測した。正解率は80%であった。


ディープラーニングによる転記予測


 ・高速M推定



高速M推定関数 r(t)とガウス関数との関係

 ガウス分布に従う観測値xiからある統計量t の最尤推定値を最尤推定で求め ると,これは最小二乗法から得られる結果に一致する.また,観測値に異常 値が含まれる場合,最尤推定では推定値が異常値にひっぱられる。
 これを解決するには、ロバスト推定の一手法であるM推定を用いるとよい。 しかし、M推定には以下の問題が指摘されている。1つは推定値の誤差の二 乗和を最小にする、M推定の基本式が繰り返し演算でしか解けず、計算コス トが極めて大きいことである。もう1つは、異常値が無い場合統計量の推定 値が、再尤推定値に一致しないことである。特に推定値を最尤推定値で与え るよう規格で定めている場合には、推定関数がガウス関数の対数とは一致せ ず致命的となる。
 提案する新しいM推定関数r(t)は、2次Bスプライン基底関数を拡大・平行 移動したものである。r(t)の幅をうまく選ぶことにより、観測値のほとんど で、推定関数とガウス関数の対数とが一致する。このため、異常値のない観 測値に対しては、得られる推定値と最尤推定値とが一致する。また、推定値 は2次Bスプライン基底関数の線形和、すなわち2次Bスプライン曲線の最 大点として解析的に計算できる。高速に計算可能なM推定であるため、これ を高速M推定と呼んでいる
 (論文)沼田ら:「高速M推定を用いたロバストガウシアンフィルタの提案」
               精密工学会誌 Vol.76,No.6,684-688,(2010).


・マハラノビス距離を用いた機械学習


等確立密度点を形成する識別境界面

 画像全体にn階層の平均処理を行い、これを1画素単位でみたときのn次元特 徴空間を定義する。続いて、この特徴空間を用いて良品サンプル画像を複数 枚学習させる。最後に、検査対象画素のn次元特徴空間におけるマハラノビ ス距離を計算し、局所欠陥および対極欠陥を検出する。           たとえば、下図(a)の古い百円硬貨(S54年製)のキズ検出を、新しい百円硬 貨(H17年製)との相違点で求めようとすると、(d)のようにいたるところに相 違点が発生し、求めるキズは検出できない。摩耗の影響を受けるからである。 これに対し、提案手法ではS51年製からH17年製までの百円硬貨を用いて学習 を行った。平均処理はn=3階層とした。摩耗の影響を受けず、キズだけを検出できた。


古い百円硬貨のキズ検出

(論文)沼田ら:「マハラノビス距離による学習を用いた大局的欠陥検査法」
           精密工学会誌 Vol.75,No.2, 262-266,(ViEW推薦論文 2009). 





・シーン認識(清水研と共同研究)


レスキューロボットのシーン認識


ルートを探索するレスキューロボット


認識されたシーンの稜線エッジ

 巡航速度200mm/sで移動するレスキューロボットは、1フレーム33msの2-3倍の時間でシーン解析を行わなければならない。特に倒壊物や瓦礫の多い被災現 場用に、シーンのエッジ点群から高速に直線を検出する手法が望まれている。 本研究では、三項漸化式を用いた高速Hough変換法をシフト演算を用いてさら なる高速化を図ることで、1フレームあたり10ms以内で処理を行う。





・高速2次元ガウシアンフィルタ


物体表面3次元形状と粗さ用平均値局面

 3次元表面粗さの測定における大きな問題は、計測点が膨大なため基準 となる平均値曲面の算出に時間を要することである。特に位相補償型ガ ウシアンフィルタを用いる場合には、この問題に加え、終端で予期せぬ 結果が得られるエンド効果、xy方向と斜め方向のフィルタ特性が異なる 方向特性への対応も必要である。本研究では、ダウンサンプリングとG スプラインフィルタを用いた周波数領域法によって、これらの問題を解 決した高速2次元ガウシアンフィルタを提案している。 

・高次スプラインフィルタ


ガウシアンフィルタ・スプラインフィルタと
高次スプラインフィルタの振幅伝達特性比較

 表面粗さ用平均値フィルタとして使われるガウシアンフィルタには、終端で予期せぬふるまいをするエンドエフェクトとカットオフ特性がゆるやかな振幅伝達特性を持つという問題がある。本研究では、最もなめら かな曲線である自然スプラインに注目し、それを用いた通常3次のスプラインフィルタの次数を高次元化した。よりなめらかな曲線とするためである。これにより、カットオフ特性は次数の上昇とともに急峻となり、無限次の高次スプラインフィルタのカットオフ特性はナイフエッジとな った。また、高次スプラインフィルタの計算は逆行列を解かねばならず、次数増大とともに計算コストが増大する。この問題を、周波数領域にお ける計算で置き換えることにより解決し、また、エンドエフェクトの問題も解決した。
(論文)M.Numada et.al: High-order spline filter and ideal low-pass filter
    at the limit of its order,
    Journal of the International Societies for Precision Engineering and Nanotechnology,
     Vol. 31, No. 3, pp. 234-242, (Jul. 2007)

・高速M推定型ロバストガウシアンフィルタ(FMGF)


FMGFの概念図

 高速M推定型ロバストガウシアンフィルタ(FMGF)は、ロバストな高速ガウシアンフィルタです。
データzi=f(xi)をxz座標系に展開した後、x方向にガウシアンフィルタ、z方向に2次Bスプラインフィルタを適用、各xi座標上の最大点をフィルタ出力値として求めます。フィルタ出力値は2次Bスプライン曲線の最大値として、解析的かつ高精度に計算できます。


FMGFの処理例

 高速M推定型ロバストガウシアンフィルタ(FMGF)は、外れ値のないデータに対しては業界標準の
ガウシアンフィルタと同一の結果を与え、外れ値がある場合にはロバストにふるまう理想的なフィル
タです。2014年秋より本フィルタは、株式会社小坂研究所の表面粗さ測定機に搭載されています。





・周波数型自由曲面あてはめ


周波数型Bスプライン曲面あてはめ理論


元データ


Bスプライン曲面の制御点


Bスプライン曲面あてはめ例(2例)

 3次元座標で与えられた点群に自由曲面をあてはめることは容易ではない。 最大の問題は計算コストである。この問題に対し、計測データを周波数空間へ変換した後にフィルタ処理し、実空間への逆変換によって自由曲面の制御点を得る方法を提案した。提案手法では、Bスプライン曲面の終端における2次微分が0になるように、計測データに対しある工夫が施される。これにより、従来の周波数型処理の問題であった、終端でのリンギング発生がない。周波数空間におけるフィルタ処理は、実空間におけるコンボルージョン処理に相当するため、大幅な高速処理が可能になった。なお、最も滑らかな補間関数である「平滑化スプライン」によるあてはめも、提案手法を用いると高速に処理できる。
(論文)沼田ら:「高速離散的フーリエ変換を用いたB-spline曲面あてはめ」
        精密工学会誌 Vol.71,No.7,860-867,(2005). 


・ロバストなHough変換


ばらつきのある点群からの直線検出

 直線検出の有力な手法にHough変換があるが、ばらつきの大きい点群には適 用できない。ロバスト推定の一手法であるLMedS法を用いたHough変換をだと、ばらつきが大きな点群からでも直線検出ができる。しかし、実時間での処理は 不可能である。そこで、高速M推定を用いたHough変換を提案した。LMedS法を用いたHough変換同様ばらつきの大きな点群からも直線検出が可能であるが、 処理時間は100倍以上早く、VGA画像に対し0.1秒台で処理できた。
(論文)沼田ら:「高速M推定を用いたロバストな高速Hough変換」
          精密工学会誌 Vol.76,No.5,592-597,(2010).





・コンピュータグラフィックスの教科書執筆




「最新コンピュータグラフィックスがわかる」
技術評論社(2000年)

・一般楕円の高速生成


 自由度5の一般楕円を高速に描くには、sin,cos関数を使わず計算しなくて ならない。加法定理を用いた場合、10回の乗算と6回の加減算でこれを代用 できるが、計算コストは大きい。提案手法では、これをわずか2回の乗算と 2回の加減算で実行できる。P0,P1は初期点、P=(X,Y)、Δθは刻み角である。
(論文)沼田ら:「三角関数の三項漸化式による傾斜楕円の高速生成法
          情報処理学会論文誌 Vol.48,No.12,4051-4058,(2007).





拡大2値画像(量子化画像)からの多値画像復元


(左)元画像拡大図    (右)復元多値画像拡大図


提案するSINC関数濃度補間を用いた逆量子化法


濃度ヒストグラム(原画像、量子化画像、復元画像)

 256階調より少ない階調数に量子化された画像から、多値画像を復元する ことは容易ではない。ただ、たとえ2値画像であっても、それが十分に大きなサイズであれば、それから平均処理により多値画像を得ることができる。これをヒントとし、量子化画像の1ピクセルをSINC関数を用いて数ピクセルx数ピクセルへと拡大&濃度補間し、その縮小・平均処理によって多値画像 を復元する。復元度合いは、原画像と復元画像の濃度ヒストグラムの類似性 で判断できる。
(論文)沼田ら:「Sinc関数による画像の逆量子化法」精密工学会誌 Vol.76,No.9,(2010).





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